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健康住宅づくり 7つの法則 Rule7

  【太陽の恵みと暮らす家】「日光を利用しよう」



健康住宅づくり 7つの法則 Rule7
太陽は健康の素

  「太陽のこない家には医者が来る」…これは日当たりの悪い家には病人が出るという警告です。骨が健全に発達するためには、私たちは日光を浴びて、ビタミンDを造らないと成長できません。最近は、紫外線を浴びると肌を傷めるので無条件に日光浴が奨励されることはなくなりましたが、健康にとって太陽の光はとても価値のあるものです。
  暖かいというだけでもすばらしいですが、太陽の光を浴びると風邪を引きにくくなるとか、睡眠不足やうつ症状の改善にも効果があると言われます。病原菌に対しては殺菌力を発揮してくれます。洗濯物や布団を日干しにするのは、大変健康的です。

太陽の温もりを住まいに

  寒い冬でも、日向に降り注ぐ太陽の温もりはまるで極楽です。誰もがきっと思ったはず。この暖かさを夜までとっておけないものだろうか…。パッシブソーラーハウスは、そんな夢を実現しようと開発された住宅工法です。
  世界を石油ショックが襲ったのは、もう20年以上も昔のことですが、太陽熱や太陽光をなんとか効率よく利用できないものか、必死に考えたものです。はじめに太陽熱コレクターを使った温水器が商品化されました。太陽熱で水を温水に変え、お風呂に使えるということで人気商品になりました。いまでも全国津々浦々に、屋根に温水器を積んだ家を見ることができます。
  二番手がソーラーハウス、三番手が太陽光発電住宅でしょうか。世界中の建築家がソーラーハウスの設計に挑戦しました。ソーラーハウスには、太陽熱を集めて、住まいに熱を循環させるために機械を用いるアクティブソーラーハウスと、機械を使わず、蓄熱部材や暖まった空気の循環を促す部材と設計手法で太陽熱を利用するパッシブソーラーハウスがあります。機械を使わないパッシブソーラーは、運転のために電気や石油燃料を使わない省エネ住宅の模範生です。機械を使わないということは、故障の心配もないし、メンテナンスの手間も少なくてすみます。
  もうひとつの太陽光発電住宅は、太陽電池で集めた太陽光を電気に変換して利用するものです。熱を直接利用するのではなく、光を電気に変えて利用するという点で、ソーラーハウスとは、一線を画しています。こちらは初期投資額が大きくなりますが、自家発電で電気がまかなえる上、余った電気を電力会社に売ることができます。

ユニークなエアサイクルシステム

  パッシブソーラーの中でも、とてもユニークでアイデアに富んでいる工法が「エアサイクルシステム」と呼ばれる方式です。太陽熱で建物を暖めると、壁の中の空気が暖まって気体は上昇する、温度差があると気圧差が生じて空気が動く、この自然の法則を利用しただけです。空気が循環する通気層は、床下・壁・小屋裏がひとつにつながるように部材を施工し、床下と小屋裏に換気口を設け、冬は換気口を閉じておき、太陽熱だけで空気が上昇、循環するようになっています。夏は、この換気口を開けてしまいます。風や夜の涼気が通気層の中に取り込まれ、床下から入って、小屋裏換気口から抜ける仕組みです。
  冬は暖かな空気が壁の中を循環しており、夏は爽やかな風が巡っている…これが建物の輻射熱を高めて、冬の暖房、夏の涼房の負担を減らしています。建物全体を空気が循環していると、南と北の温度差や一階と二階の温度差も小さくなっていきます。そして、動く空気が木を乾かし、住まいの寿命を延ばす…こんな合理的な仕組みなんです。