木というと腐るもの。だから木造住宅は長持ちしないとは、決めつけられません。世界最古の木造建築物、法隆寺。桂離宮。中国や英国にも数百年前の木造建築が残っています。こうした長寿命の木造建築から学ぶことも大切です。
さて木の特性として、伐採されてからも生命を保つということがあります。風化あるいは老化する速度は、きわめてゆっくりで、屋外に百年間放置しても、縮むのは3mm程度です。こうした木の生命力を生かす工法と設計によって木の家もかなりの寿命が期待できます。2,700年もつとされる木材ですが、実際には腐ったり、虫に食べられたりしてしまう。そこで耐久性を保つには腐らないようにしなければならないわけで、昔の棟梁は、「木は動く空気にふれさせろ」と言って木が腐らないように風通しを計画していたものです。
よく乾燥した良質の木材をもちい、空気にふれるように工夫し、こまめなメンテナンスを継続することで木の家は長持ちします。