ずばり百年もつ木の住まい
一見、弱そうに見えて、実は結構タフだったりする人っていますよね。木の家も、ちょっとそんな感じです。言ってみれば、木造住宅とは木と土と紙と植物でできているわけでしょ。強い風が吹けば飛びそうで、火をつけたらメラメラと燃えてしまいそう。そんな外見のイメージが、石の家や鉄の家と比べると、いかにも弱そうに思えるんですね。
でも、ちょっと待ってください、はるか千三百年以上も昔に建てられた法隆寺を筆頭に、気が遠くなりそうな歳月にわたって腐らず残っている木造建築がたくさんあります。日本だけでなく、中国やイギリスにも木造建築物で建ってから八百年や九百年の歳月を経た歴史的建造物があるそうです。
もう少し身近な例では、古民家や町家があります。最近では、古民家再生に取り組む人や古民家に使用されていた木材をリサイクルして家を建てることがちょっとブームになっていたりします。これも二百年や三百年は経っている長寿命住宅です。
あなたが造ろうとしている家だって、その気になれば、百年住宅になります。長持ちする家をつくるのは、地球市民、日本国民の義務です。
「うちはいいよ。自分たちが生きている間、もてばいいんだから。子どもたちは自分たちで、自分の家を建てればいいんだからさ。」
…うーん、そんな考え方もあるかもしれません。でもね、これからの地球は、日本の国は、循環型経済の社会、つまり地球環境にやさしい社会に作り替えていく必要があるんです。長持ちする木の家が増えると…
1 建設廃棄物の排出量を減らせます。
壊すサイクルが短ければ、ゴミが増えます。ゴミが増えると、国中がゴミだらけ。これは避けなくてはならない。長持ちすれば、期間あたりのゴミの量が減らせます。
2 木の家であれば、部材がリサイクルして再利用できる。
利用できない部分は、解体廃棄するときに有害物質を出さずに土に戻せる。環境を汚さず、資源も有効活用できるわけです。
3 木の家が長持ちすれば、森の木を浪費せず、森林資源の再生サイクルにあった木材の活用ができる。
また森林を保全することで、二酸化炭素の吸着や水蒸気の蒸散や空気の浄化作用で温暖化防止などの地球環境保全にも役立ちます。
4 これから本格的高齢化社会がやってきます。
老後になってからの建て替えで、経済的な負担や老朽化する家での健康に負担のかかる住まいではつらいことになります。一生安心して暮らせる家を持てば、人生が豊かになります。
5 耐久性の優れた家は、資産価値の評価額も高くなります。
中古住宅の性能保証制度などが充実してくるので、万一不要になった場合も、高く売却できて得です。すぐれた住宅ストックが増えると、日本の社会が豊かになります。土地や建物を担保にした資金運用で利益をあげるチャンスもあります。
6 これからの社会はリスクが大きくなります。
たとえば、石油資源などの枯渇や環境破壊によって生活が厳しい情勢になることも配慮しておく必要があります。そんなとき、長寿命の木造住宅があれば、やすらぎのシェルターになってくれます。
木の家にしようよ
いままでの日本の家は、間取りも設備も、そこそこ、そのときの流行に合わせて造り、人生とともに設備も間取りも古びて、子供の世代には子供がそのときの流行に合わせて建て替えるか、新たな土地にマイホームを建てるのが通例でした。でもこれからの家づくりは、長寿命を旨とする造りが求められます。それには、木の家が一番なのです。それはなぜかというと、木は長持ちする素材だからです。しかもさまざまな自然素材を用いて造るので健康によいでしょ。また、その土地の気候・風土・文化にのっとって建てられることも木の家の強みです。ねっ、だから木の家にしましょうよ!!