熱気球や飛行船が上昇するのはなぜだかご存じですか?これは、空気を暖めると軽くなって上昇するという法則を応用しているためです。また、熱は必ず温度の高い方から低い方に流れるという性質を持っています。「フクビエアサイクルの家」では、こうした自然の法則を応用して、空気の動きをつくり出しています。
たとえば、冬期にエアオープナー(小屋裏・床下換気口)を閉じると、床下〜壁〜小屋裏を連通した閉じられた空間が形成されます。陽の当たる南向きの壁内では、空気が太陽熱で暖められて上昇し、小屋裏空間に廻り込みます。そして、床下の空気は壁内の上昇気流に引き上げられて壁側に回り込み、小屋裏の暖かい空気は温度の低い北側の壁の中に向かいます。
このように、熱による空気の流動と温度差による熱の移動が連続して起こることで、空気を躯体の中で動かしているのです。