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建てる前に知ってよかった!知りたかった家づくり Q39

  外断熱工法って、本当にいいの?



  家の断熱工法は、断熱材を外壁と内壁の壁空洞に、柱と柱の間に埋め込むように入れる内断熱が主流でした。現在も新築の90%以上が内断熱を採用しています。
  内断熱の方法を採用した場合、壁体内に水蒸気が進入して結露を引き起こさないよう、防湿シートを室内側に張り込みます。しかし、この防湿シートの継ぎ目やスイッチ、コンセントの取り付け部分の隙間から水蒸気が進入して内部結露を引き起こすことがあります。
  内断熱工法では、冬になると室内側の水蒸気分圧が屋外側よりも高くなり、水蒸気が断熱材を浸透する過程で冷やされて結露が発生しやすいのです。
  これに対して壁空洞を残したまま、柱の外側に板状の断熱材を途切れることなく張りつめるのが「外断熱」=外張り断熱工法です。
  外断熱工法は建物全体を断熱材で包み込むため、高気密化が容易に実現でき、躯体が外気温に左右されにくい構造になります。また、熱負担が小さくエネルギー消費が抑えられる為、暖房機などの機械にあまり頼らなくても快適で健康な住空間を生み出すことができます。そして、躯体の劣化が少ないので、建物の寿命が延びるのも大きな特徴です。
  断熱材が構造体より外側にあるため、結露の発生の心配が少なく、結露から生じるカビ、そのカビをえさにするダニの発生を抑えます。断熱性能のよい省エネ住宅では、部屋間の温度差が少なくヒートショックが軽減できるなど、いろいろないいことがあります。
  また構造体が外気から断熱材で守られているため、温度差による構造体の収縮が起きにくく傷みも少なくなります。屋根部分は天井裏に断熱材を敷き込むのではなく、屋根材のところに張っていくため夏に小屋裏が異常な熱気を持つことがありません。床下も外気から遮断され天井付近と床部分で大きな温度差が生じません。このように室内環境が安定するのが大きなメリットです。